オフショア開発ガイド

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ラボ型開発(ラボ契約)

   ラボ型開発

オフショア開発では、契約の種類が大きく「ラボ型開発(ラボ契約)」と「受託型開発」に分類されます。どちらにもそれぞれメリットやデメリットがありますが、ここでは特に、オフショア開発拠点に自社専用の人材やチームを確保できる、ラボ型開発(ラボ契約)について詳しく解説していきます。

オフショア開発におけるラボ型開発(ラボ契約)とは?

自社のための人材を海外で育成できるラボ型開発(ラボ契約)

ラボ型開発(ラボ契約)とは、イメージとして「自社のラボ=研究センターや開発室」を海外の委託先に作ってしまうような契約方式であり、オフショア開発におけるラボ契約は「オフショア開発センター(ODC)」とも呼ばれます。具体的には、「期間単位で発注する仕事量を保証した契約形態」であり、契約期間中は現地企業にいる人材やチームを自社のために最大限に活用することが可能です。

ラボ契約は人材育成にも便利

もしも中長期的に安定してラボ契約を結べる案件であった場合、必然的に現地スタッフもそのまま自社の案件に継続して従事してくれるため、自社のニーズや特色について理解を深めてもらうことができます。また、専門知識や経験も蓄積されていくので、より効率的な業務を行ってもらえるようになる点も重要です。

ラボ型開発(ラボ契約)のメリット

コスト削減が可能

オフショア開発のメリットとして挙げられる人件費の安さは、当然ながらラボ契約でも大きなメリットです。人件費の相場は国や地域によっても異なりますが、それでも日本でスタッフやエンジニアを雇用することを考えれば、優秀な人材をはるかに安く確保することができます。また、元から優秀な人材を自社の専任として確保できるだけでなく、契約期間が長くなれば未熟であったスタッフの技術力も向上していくため、よりコストパフォーマンスを高めていくこともできるでしょう。

仕様変更や機能追加に関する再見積が不要

ラボ契約は、期間単位で専属のエンジニアチームと契約するようなタイプの契約形態であるため、期間中であれば臨機応変な対応をしてもらったり、1つのプロジェクトが終わってもすぐに新しいプロジェクトへ移行してもらったりといったことが可能です。また、メンバーの役割分担を自社で指示できるため、タイミングに合わせて適材適所の人材活用を行うことができます。

現地法人を作るリスクを抑えられる

現地に自社の子会社や研究所を作って現地人を雇用する場合、初期コストがかかるだけでなく、人件費が固定化されるリスクや、現地の文化や風土に合わせる必要性があります。しかしラボ契約のオフショア開発では、コストの固定化を防げる上、好きな期間だけ現地スタッフを自社の方針で管理することが可能です。

ラボ型開発(ラボ契約)のデメリット

契約期間中の発注量の確保

期間単位で契約するため、発注量が不足すると不要な人件費を支払うことになります。そのため、1つのプロジェクトが完了しても、期間中は新たなプロジェクトに取り組ませるなどの対応が不可欠です。

チーム機能の安定に時間がかかる

ラボ契約では、どうしても最初に専属チームを自社の方針やニーズにマッチングさせるための時間がかかります。また、国内のチームと連携が必要になることもあり、積極的なコミュニケーションを欠かすことができません。

ラボ型開発に向いているプロジェクト

既存システム・サービスの運用保守

すでに何らかのWEBサービスやスマホアプリなどを運営している企業では、常に人材不足の問題があり、特に優秀なエンジニアの確保は必須の課題です。また、国内で外注スタッフや派遣スタッフを使うと自社スタッフよりも人件費がかさみやすいため、コストバランスを考える必要もあります。

とはいえ、最初に仕様や依頼内容を用意しておかなければならない受託型開発では、臨機応変な対応をしてもらうことが難しく、従来と同様のサービスを維持できない可能性もあります。

そのような場合、日本よりも人件費の安い国外でのラボ型開発によって、優秀なエンジニアやチームを自社の専属として用意しておけば、国内で外注・派遣を利用するよりもコストを抑えられる上、柔軟なサービス力をキープすることが可能です。

複数のWEB開発・システム開発の同時進行

複数のクライアントからシステム開発やWEBサイトの制作を請け負っている企業では、社内で様々なプロジェクトが同時進行しており、時には人材に余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。

ラボ型開発であれば、自社でエンジニアを雇用するよりもコストやリスクを抑えられる上、プロジェクト内容に応じた開発環境をスピーディに構築することも可能です。

また、ラボ型開発によって自社の開発力をカバーしておけば、思いがけず多数の案件を依頼された場合でも、安定して受注することができます。

ただし、ラボ型開発ではそれぞれの開発チームと密接に連携して指示を出すことが必要なため、社内の管理体制を整えておくことも重要です。

アジャイル開発やリーンスタートアップ

最初に細かな仕様書や設計書を作ってから開発をスタートさせるウォーターフォール形式でなく、短期間で設計・実装・検証・修正を繰り返して品質を高めていくアジャイル開発では、一定のコストでフレキシブルな対応をさせられるラボ型開発が有効です。

また、例えば全く新しいスマホアプリやインターネットサービスを立ち上げる場合、そのリスクや収益性、成功率などの事前検証が必要になることもあるでしょう。

リーンスタートアップとは、あらかじめ必要最低限の機能を備えたサービスを市場へ出し、ユーザーのリアクションやトラブルの有無などを確かめる手法です。

リーンスタートアップでは、ユーザーからのフィードバックをもとにして、システムやサービスの本格稼働の前に状況確認や修正を行っていかなければなりません。そのため、従来の受託型開発やウォーターフォール開発では対応が間に合わなかったり、その都度にコストが増大していったりする可能性があり、ラボ型開発はアジャイル開発との親和性が高いといえるでしょう。

人材育成・ノウハウづくり

ラボ型開発では、優れた技術や経験を持ったエンジニアを国内よりも低コストで、かつ自由に活用できます。

そこで、あえて小規模のラボ型開発を活用することで、リスクを抑えたまま自社のスタッフに管理責任者としての経験を積ませ、グローバルスタンダードの技術力・開発環境に接する機会を与えることが可能です。

また、ラボ型開発では長期的に開発チームを確保しておくことで、自社の働き方や開発スタイルに特化した現地エンジニアを育成できるので、その点でも自社の人材を効率的にサポートさせられます。 もちろん、企業としてオフショア開発のノウハウを培ったり、現地の風土やビジネススタイルなどへの理解を深めたりしていく上でも、開発チームとの連携が重要になるラボ型開発は有効です。

ラボ型開発で企業を選ぶポイント

グローバルスタンダードの開発環境

オフショア開発全般にいえることですが、その企業にグローバルスタンダードの開発環境が整えられているかどうか、事前に確かめることは欠かせません。

最新のハードウェアやソフトウェアが設置されているか、ネットワークの通信環境やセキュリティ対策は充分かなど、物理的な環境は必ず確認すべき項目です。また、企業としてのコンプライアンスへの意識や他国・多文化への理解、エンジニアの管理体制や各スタッフのモチベーションといった、目に見えない部分についてもしっかり見極めることが欠かせません。

その他、オフショア開発企業によっては、ISOなど国際認証を取得していることもあり、客観的な評価基準を参考にすることもポイントです。

日本企業との取引実績

受託型開発とラボ型開発では根本的に特性が異なります。そのため、日本企業とのラボ型開発の取引実績は、どれだけラボ型開発に慣れているかを判断する客観的な証拠として重要です。 ホームページやパンフレットでどれだけ理想的な内容が宣伝されていても、ラボ型開発での取引実績がほとんどない企業に対しては、当然ながら注意すべきといえるでしょう。

企業としてのエンジニアの採用力

企業として充分なエンジニアを採用しているのかどうか、またきちんと育成できているのかどうかについても、事前に確認しておくことが大切です。

そもそも採用力が低い企業では、いざという時に人材が不足したり、魅力的なエンジニアを確保できていなかったりと、様々なリスクが想定されます。また、特に重要なポストの人材が退職してしまった場合などに、早急に開発環境を整えることもできなくなります。

ラボ型開発では自社専属のチームを現地へ構築するため、人材不足が起こりうる要素は明らかに大きな欠点です。 その他、採用力が高いということは求職者が多いということであり、現地でも魅力的な企業として認知されている可能性も高くなるでしょう。

優れたエンジニアを確保しているか

企業の採用力が高かったとしても、未熟な人材ばかりを採用していては意味がありません。

経験や技術が不足しているエンジニアがどれだけいても、結局は開発効率が低下して、スケジュール管理が難しくなり、さらに成果物の品質も低下します。また、いっそ重大なトラブルやエラーが発見されれば、日本で改めて修正しなければならず、費用が増大してしまうリスクもあります。

加えて、未熟なエンジニアが多いことで、優秀なエンジニアに過度な負担がかかってしまえば、せっかくの人材が離職してしまう可能性も上がるでしょう。

人材選択の自由度

企業の採用力が高く、優秀なエンジニアが数多く在籍していたとしても、いざ自社の専属チームを構築する時に自社ニーズにマッチしたエンジニアを選ばせてもらえなければ意味がありません。

受託型開発であれば、チーム内の連携力が不足していても、結果的にスケジュール通りに目的の成果物が得られれば構わないかも知れません。しかし密接なコミュニケーションや、柔軟な対応力が求められるラボ型開発では、少なくともチームメンバーの全員が相応の経験や能力を有していることが必要最低条件です。

そのため、ラボ型開発ではクライアントに対して納得いくまで人材を選定させてくれるかどうか、またクライアントの要望に対して誠実に人材を提供してくれるかどうかが非常に重要なポイントになります。

クライアント企業へのサポート体制

日本人と外国人では働き方や仕事観にも大きな違いがあります。そこで、自社とチームの橋渡しとして、日頃から手厚いサポートをしてくれるかどうかは重要です。

また、緊急時の対応はどうなっているのかなど、トラブル発生時の具体的な危機管理対策マニュアルなどが整備されているかも確かめておかなければなりません。

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