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オフショア開発の見積もりと注意点

   オフショア開発見積り

ここでは、オフショア開発における見積もりの取り方や、コストを抑える際の注意点などについて解説しています。

システム開発の見積もりについて

オフショア開発の最大の目的は低コスト化

わざわざ海外の会社へプロジェクトを委託する最大の理由は、国内で開発するよりもコストを抑えられるからです。言い換えれば、オフショア開発会社から事前に見積もりを取得して、コストについて充分に比較検討しなければ、オフショア開発の意義がそもそも失われてしまいます。

見積もりに記載されるコストの内訳

設計費用

設計費用は、開発プロジェクトの目的となるシステムや成果物について、ブリッジSEやプロジェクトマネージャー(PM)がクライアントと充分に協議し、設計書を作成するための費用です。また、設計書の内容を現地の言語へ翻訳するための費用なども含まれます。

管理(ディレクション)費用

管理費用は、実際の開発をブリッジSEやPMが管理していくための費用です。また、定期的な報告や、急な仕様変更・トラブル発生時の対応などにかかる費用について含まれることもあります。

人件費

エンジニアの人件費相場が安ければ安いほど、コストメリットは大きくなります。反面、日本人エンジニアの人件費とあまり変わらなければ、むしろ翻訳料といった諸経費の分、オフショア開発をすると損になる場合も考えられるでしょう。

見積もりでは、人件費は必要なエンジニアの単価と、開発にかかる工数(人数・期間)によって計算されます。

その他の費用

写真やイラストなど素材購入費や、サーバー管理費、適切なコミュニケーションを維持するための通信費用など、他にも様々なコストが発生します。

オフショア開発の見積り事例

大きなコストメリットを得たA社のケース

新しく9人月の開発プロジェクト(納期3ヶ月)を始めるため、A社は国内の開発会社とオフショア開発会社で見積もりを取りました。

すると、国内開発会社ではPM(70万円/月)が1名と、エンジニア(60万円/月)が3名で、合計750万円という金額になりました。

一方、オフショア開発会社では日本人PM(70万円/月)が1名と、エンジニア(20万円/月)が3名、さらに現地人ブリッジSE(35万円/月)が必要とされ、合計金額が495万円となったのです。

結果的に、オフショア開発で国内開発のほぼ1ヶ月分となる255万円が浮く計算となりました。

コストメリットと開発スケジュールのバランスが良いB社のケース

次は、既存アプリを刷新しようとプログラマー3人月の開発プロジェクトを立ち上げたB社のケースです。

国内企業では、PM(80万円/月)が1名でエンジニア(70万円/月)が3名、開発期間が1ヶ月として290万円の見積もり額でした。

一方のオフショア開発会社では、日本人PM(80万円/月)が1名、ブリッジSE(35万円/月)、プログラマー(15万円/月)が3名で、合計160万円となったのです。

結果的にB社は、アプリ実装後のリスク管理を考慮して、オフショア開発会社でさらに1ヶ月追加で開発チームを維持することに決め、計2ヶ月間のラボ型開発を行いました。

メリットがあまりなかったC社のケース

2人月のシステム開発を企画したC社が、国内企業とオフショア開発会社で見積もりを取ったところ、国内ではPM(80万円/月)とエンジニア(80万円/月)が1名ずつ・2ヶ月で計320万円が、オフショア開発会社からはPM(80万円/月)とブリッジSE(30万円/月)とエンジニア(30万円/月)が1名ずつ・2ヶ月で計280万円が提示されました。

この場合、差額40万円ほどのコストメリットがあるように思えますが、翻訳料などの諸経費を考えれば、国内で開発した方が良いと判断できるでしょう。

見積もり額を抑える方法

オフショア開発ではエンジニアの数がポイント

エンジニアの数が多い大規模案件ほど、オフショア開発でコストを抑えられます。ただし、エンジニアが多くなれば全体管理も難しくなるため、リスクに備えることも考えなければなりません。

諸経費を自社でカバー

例えば、自社に現地人と充分にコミュニケーションできる人材がいたり、開発に必要な画像素材などを自社で提供したりできれば、人件費以外のコストを削減することができます。

ラボ型開発でリスクに備える

仕様変更が発生した時、修正費用が追加で発生する可能性もあります。そこで、一定期間、現地に専属の開発チームを設けるラボ型開発を活用することも有効です。

ただし、契約期間が長くなれば総額も高くなるため、せっかくのエンジニアを無駄に遊ばせないよう工夫が大切です。

システム開発会社の選定ポイント

使用言語とコミュニケーション能力

オフショア開発会社に日本語のできるエンジニアがいれば、改めて人材を探す費用を抑えられます。また、通信環境などがすでに整えられていれば諸経費を抑えやすくなり、委託先として魅力的です。

その他、例えば英語が公用語であったり、自社の人材で対応可能な言語の国であったりすれば、管理費を節約できる可能性もあります。

エンジニアのスキル

仮にエンジニアの人件費が安くても、ITスキルが不十分であれば、成果物の品質は低下して結果的に修正費用などがかかります。そのため、人件費の単価だけに注目せず、あくまでも費用対効果を考えなければなりません。

トラブルへの対応力

予定外の納期の遅れや、想定外のエラーによって開発が遅れた場合、きちんと対応してくれるかどうかは重要なポイントです。また、トラブル解決にかかる費用はどちらがどのような条件で支出するのかも、必ず確認しておきましょう。

開発実績

すでに日本企業との取引実績や、プロジェクトに関連したシステム開発の実績があれば、それは安心材料になります。一方、新しい会社では実績を得るため、相場より安い価格で仕事を請け負うこともあるでしょう。

国内企業との取引であれば、多少のリスクを取ることも有効ですが、オフショア開発では何よりもリスクを排除することが重要なため、あまり目先の金額に惑わされないようにする慎重さが必要です。

オフショアライド編集部が見る見積もり要求のポイント!

オフショア開発のメリットや目的を考える上で、見積もりを正しく取って比較検討することが欠かせません。

しかし、見積もり額の安さやコストメリットだけを追いかけて、開発品質を劣化させたりリスクを抱えたりすれば本末転倒です。

見積もり額はあくまでもベースとして、相手が本当に自社にとってベストな会社なのかどうか、多角的に考えていくことが大切です。

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